日常にハレの日を

毎日、通勤電車にのって仕事に行き外の景色を知らぬまま家に帰る。

駅からの道中でだけ、暑さ寒さを感じて季節の巡りを感じる。

私は、会社員の時代はこのような日々を送っていました。

朝は慌ただしく、道端に咲いている花をみる余裕もない。

帰りは夜遅く、急いで帰路につくだけ。


そんな生活の中、茶道のお稽古だけは違いました。

お床には季節の花が入れられ、お菓子が用意されお道具が変わりました。

茶室という同じ場所ですが、いつもいつも季節を感じることができるのです。

茶室に入るとそれだけで、自然を思い出し、身体のリズムを取り戻し落ち着くようでした。

茶室は、いつもいつも清められた空間です。

茶室はそこで普段の生活をするのではなく、茶道を学ぶための場所。

畳も壁も清められ、花が入っているのです。


ハレの日とは、お正月や結婚式、入学式や卒業式でも使いますよね。

日常とは少し違う、非日常の日。反対にケの日とは、日常をあらわします。

私にとって、季節を感じず朝早く起きて夜遅くに帰宅し仕事をすることは、ケの日。

そんなケの日でも、お茶室のお稽古にいくとハレの日になるのです。


茶室にいる、ただそれだけで心が落ち着いていくことに気づくと思います。

お茶を点てたい、振る舞いたい。はもちろん大事ですが、まずはご自分の心を落ち着かせること。

ご自分がほっとすること、これが一番大事だと思っています。





三日月茶道教室

茶道 裏千家の田中宗瑠のお教室です。 西宮と大阪で開いております。 Chado Urasenke,Soryu Tanaka. My tea class is in Nishinomiya and Osaka.

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